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まるで本物の「バスケットゴール」が出現-。沖縄などを会場に今夏に開幕するバスケットボール男子ワールドカップ(W杯)の機運を盛り上げようと、バスケットボール男子のBリーグが制作した広告が、交流サイト(SNS)で話題を呼んでいる。周囲の風景を同化させるデザインにしてより立体的に見えるよう工夫を凝らすなど、臨場感あふれる仕上がりだ。バスケットボールをテーマにしたアニメ映画「THE FIRST SLAM DANK」がヒットするなどバスケットボールへの注目度が高まる中、Bリーグにとっても、W杯の認知度向上に向けた好機ととらえているようだ。
風景と同化したデザイン、より立体的に
広告は「シュートを打ちたくなったキミへ。世界最高のゴールを」「あの音が、聴こえたキミへ。世界最高のゴールを」といったメッセージが入った広告とともに、バスケットゴールがデザインされた広告が並んで掲示されている。
掲示は西武池袋線の池袋駅(東京都豊島区)、東急東横線の代官山駅(同渋谷区)で5月15日からスタート。このほかにも、東京都港区南青山にあるビルの屋外で、バスケットゴールがデザインされた広告が掲示されている。
制作したBリーグは、W杯で「ローカルアンバサダー」として日本国内での機運醸成をサポートする役割を担っている。広告を制作した意図について「サッカーW杯やワールド・ベースボール・クラシック(WBC)による日本中のスポーツ熱の高まりに加えて、映画『THE FIRST SLAM DUNK』で再びバスケットボールへの思いが高まっている方々に、W杯というイベントに共感してほしい」と説明する。
広告は風景と同化するようデザインされており、本物のバスケットゴールと思わせるような〝臨場感〟が特徴だ。バスケットボールの経験者にも違和感を覚えさせないよう、池袋駅の広告では、Bリーグの試合に近い高さ(Bリーグは305センチ、広告でのリングの高さは298センチ)に設計した。
Bリーグでは「本当のバスケットゴールがそこにある、と感じてもらえなくては共感は生まれない。そのためには高さだけでなく、背景の同化、情報の最小化など徹底的にこだわった」という。
「今にもシュートが放たれそうな雰囲気」と好評
広告が掲示されると、SNS上でも話題に。ツイッターには「ポスターの大きさといい、センス良い」「風景と同化していて、今にもシュートが放たれそうな雰囲気」などといった好意的な声が寄せられた。
Bリーグでも「実際に『W杯見たいよね』という声も上がっているので、広告としては一定の成果が得られた」と強調する。広告の掲示はすでに終了している。
沖縄、フィリピン、インドネシアを開催地に行われるW杯は、8月25日から9月10日までの日程で開催。2021年の東京五輪で女子日本代表を銀メダルに導いたトム・ホーバス監督が率いる日本代表は、W杯でアジア1位となれば、24年パリ五輪出場が決まる。
Bリーグは「(バスケットボールは)実際の試合を会場やテレビ・ネットなどで観戦された経験のある方々がまだまだ少ないのも事実」とした上で、「今回の広告に少しでも共感いただけた方々には是非、友人を誘って、進化した日本バスケットボールを是非一緒に応援していただきたい」としている。
筆者:浅野英介(産経新聞)